《必須》〈課目Ⅰ〉[問題3](14)エネルギー管理技術の基礎 力率改善の計算問題

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【問題】

【難易度】★☆☆☆☆(易しい)
\[
\begin{eqnarray}
\end{eqnarray}
\]  \( \ \boxed {   17\strut   } \ \)の中に入れるべき最も適切な字句等をそれぞれの解答群から選び、その記号を答えよ。

(14) 三相3線式 \( \mathrm{ 6.6 \, kV } \)電源から電力供給されている平衡三相負荷があり、その消費電力が\( \mathrm{ 400 \, kW } \)、力率が\( \mathrm{ 80 \, \% } \)であった。この力率を\( \mathrm{ 100 \, \% } \)に改善するために、負荷に並列に設置すべきコンデンサの三相分の合計容量は\( \ \boxed {   17\strut   } \ \, \mathrm {[kvar]} \)である。

<\( \ \boxed {   17\strut   } \ \)の解答群>
\[
\begin{eqnarray}
&ア& 100         &イ& 200         &ウ& 300         &エ& 400\\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

電力用コンデンサ設置による力率改善の計算問題です。問題自体は三角関数やピタゴラスの定理などを理解すれば簡単に解くことができます。電気分野課目Ⅲでは、調相設備の性質に関する問題も出題されるため、受験される方は各設備の知識も抑えていくようにしていきましょう。

1.電力の種類
電力には、皮相電力、有効電力、無効電力の3種類があります。

\( \mathrm{有効電力} \, P \ [\, \mathrm{W} ] : \)負荷で消費される電力です。
\( \mathrm{無効電力} \, Q \ [\, \mathrm{var} ] : \)電圧と電流の位相差により発生します。無効電力の大きさにより\( \mathrm{力率角} \, θ \, \)の大きさ、向きにより進みか遅れか変わります。
\( \mathrm{皮相電力} \, S \ [\, \mathrm{V \cdot A} ] : \)電源から供給される見かけ上の電力で、設備容量などを表すのに用いられています。

電圧\( : \mathrm{V} \) 、電流 \( : \mathrm{I} \) とし、各電力を式で表すと、以下の通りになります。
\[
\begin{eqnarray}
\mathrm{P} \, [\, \mathrm{W} \,] \, &=& V \, I \, \mathrm{cos\,θ}\\[ 5pt ] \mathrm{Q} \, [\, \mathrm{var} \,] \, &=& V \, I \, \mathrm{sin\,θ} \, \\[ 5pt ] \mathrm{S} \, [\, \mathrm{V \cdot A} ] \, &=& V \, I \,\\[ 5pt ] &=& \sqrt{P^2+Q^2}
\end{eqnarray}
\]

2.調相設備
調相設備を電力系統に並列接続し、無効電力を調整することで、力率を適切に改善できます。これにより、電圧降下や電力損失の抑制、フェランチ現象の防止といった効果が得られます。主な調相設備には、以下の4種類があります。

1.電力用コンデンサ
負荷に並列接続することで、進み無効電力を消費し、進み力率へ調相します。主に平日日中などの重負荷時に使用します。安価で保守性にも優れていますが、段階的にしか調相できず、応答速度は遅いです。

2.分路リアクトル
負荷に並列接続することで、遅れ無効電力を消費し、遅れ力率へ調相します。主に夜間休日などの軽負荷時に使用します。こちらも安価で保守性にも優れていますが、段階的にしか調相できず、応答速度は遅いです。

3.同期調相機
無負荷の同期電動機を回転させて励磁時電流を調整することで、力率を遅れにも進みにも調相することができます。連続的に調相が可能で応答速度は速いですが、回転機が故に保守が最も困難で設備自体も高価です。

4.静止型無効電力補償装置(SVC)
コンデンサとサイリスタに直列接続されたリアクトルを並列接続し、サイリスタの点弧により力率を遅れにも進みにも調相することができます。連続的に調相が可能で応答速度は最も速いです。同期調相機ほどではないですが、保守が困難で設備も高価です。

【解答】

(17)解答:ウ
ワンポイント解説1の関係式を用いて解いていきます。
まずは、\( \mathrm{皮相電力} : \, S \)を求めます。
\( \mathrm{消費電力} : \, P \) 、 \( \mathrm{力率} : \, \mathrm{cosθ} \) とし、
\[
\begin{eqnarray}
S &=& \dfrac{ P }{ \mathrm{cosθ} } \ \\[ 5pt ] &=& \dfrac{400}{\dfrac{80}{100}} \ \\[ 5pt ] &=& 500 [\, \mathrm{kV \cdot A} ] \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

\( \mathrm{無効電力} : \, Q \)を求めます。
\[
\begin{eqnarray}
&=& \sqrt{S^2-P^2} \\[ 5pt ] &=& \sqrt{500^2-400^2} \\[ 5pt ] &=& 300 [\, \mathrm{kvar} \,] \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

力率\( \mathrm{ 100 \, \% } \)は無効電力がゼロの状態であるため、設置すべき\( \mathrm{コンデンサの容量} :\mathrm{Q}_{c} \)は、
\[
\begin{eqnarray}
Q &=& \mathrm{Q}_{c} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] の関係となります。

よって、\( 300 [\, \mathrm{kvar} \,] \)となります。