《熱》〈課目Ⅳ〉[問題11]計測及び制御 面積流量計の測定原理と構造に関する知識問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(普通)
\[
\begin{eqnarray}
\end{eqnarray}
\] 次の各文章の\( \ \boxed {   9\strut   } \ \)~\( \ \boxed {   11\strut   } \ \)の中に入れるべき最も適切な字句等をそれぞれの解答群から選び、その記号を答えよ。

(3) 面積流量計は、テーパ管とフロートから構成され、テーパ管中のフロートの位置で流量を計測するものである。テーパ管の下から流体を流すと、流体がフロートとテーパ管のすき間を通ることにより、\( \ \boxed {   9\strut   } \)を発生する。この上向きの力と、フロートの\( \ \boxed {   10\strut   } \)による下向きの力が釣り合う位置でフロートは静止する。
面積流量計は、このフロートの静止位置で流量が読み取れるように作られている。このため、テーパ管を透明にすることによりフロートの位置すなわち流量として直視できる。動力源が不要でかつ安価に製作できるため、現場指示計としてよく用いられている。注意点としては、テーパ管を\( \ \boxed {   11\strut   } \)に取り付ける必要があることなどがある。

<\( \ \boxed {   9\strut   } \ \)~\( \ \boxed {   11\strut   } \ \)の解答群>

\[
\begin{array}{l}
\rlap{\text{ア} \quad \text{鉛直}}\hspace{140px}\rlap{\text{イ} \quad \text{水平}}\hspace{140px}\rlap{\text{ウ} \text{斜め45度}}\hspace{140px}\rlap{\text{エ} \quad \text{回転}}\hspace{140px}\rlap{\text{オ} \quad \text{重量}}\hspace{140px} \\[5pt] \rlap{\text{カ} \quad \text{摩擦抵抗}}\hspace{140px}\rlap{\text{キ} \quad \text{差圧}}\hspace{140px}\rlap{\text{ク} \quad \text{静圧}}\hspace{140px}\rlap{\text{ケ} \quad \text{全圧}}\hspace{140px}\hspace{140px}
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

面積流量計の測定原理と構造に関する問題です。文章だけ読んでも、流量計のイメージが付きにくいかと思います。一方で、連続の定理やベルヌーイの定理などの前提知識、流量計の構造を理解した方が、頭に入りやすくなると思います。連続の定理やベルヌーイの定理は、課目\( \mathrm {Ⅱ} \)で基礎として出題されますので、まずはそこで学ぶことをおススメします。

1.連続の定理
連続の定理は、「配管内の流量は分岐せずにつながっている限り、どの部分も同じ」であることを表したものです。

\[
\Large \textbf{図1}
\] 図\( 1 \)をもとに、連続の定理を式で表します。
1⃣の断面積:\( A_{1} \) 流速:\( v_{1} \) 
2⃣の断面積:\( A_{2} \) 流速:\( v_{2} \)
とし、流量:\( Q \)は、
\[
\begin{eqnarray}
Q &=& A_{1} v_{1} &=& A_{2} v_{2}・・・・・・・・・➀
\end{eqnarray}
\] となります。

また、➀式を変形して細い部分の流速:\( v_{2} \)を表すと、
\[
\begin{eqnarray}
v_{1} &=& \dfrac{A_{2}}{A_{1}} v_{2}・・・・・・・・・➁
\end{eqnarray}
\] となり、配管内の各地点の流速は、その部分の断面積に反比例することがわかります。
要するに、「同じ流量を維持させるために、断面積が少ない部分は流速を上げることで補う」イメージです。

2.ベルヌーイの定理
ベルヌーイの定理は、流体が持つ全エネルギーが配管内のどの部分も一定である「エネルギー保存則」を表したものです。
図\( 1 \)をもとに、ベルヌーイの定理を式で表します。

流体の密度:\( \rho \) 高さ位置;\( H \) 
➀の流速:\( v_{1} \) 圧力:\( P_{1} \)
➁の流速:\( v_{2} \) 圧力:\( P_{2} \)
\[
\begin{eqnarray}
\rho g H + \dfrac{1}{2} \rho v_{1}^2 + P_{1} &=& \rho g H + \dfrac{1}{2} \rho v_{2}^2 + P_{2} \\[5pt] \dfrac{1}{2} \rho v_{1}^2 + P_{1} &=& \dfrac{1}{2} \rho v_{2}^2 + P_{2} \\[5pt] \end{eqnarray}
\] 前提として、図\( 1 \)では各地点の高さ位置は変わらないため、位置エネルギー:\( \rho g H \)は相殺されます。
各地点の流速による運動エネルギー:\( \dfrac{1}{2} \rho v^2 \)と圧力エネルギー:\( P \)の合計は等しく、一定となります。
そのことから、
流速が増加⇒圧力は低下
流速が減少⇒圧力は上昇
となります。

3.面積流量計の構造

\[
\Large \textbf{図2}
\] 面積流量計は、透明のテーパ管の中にフロートが入っている構造になっています。図\( 2 \)左のように、流体が流れていないときは、フロートは一番下にあります。図\( 2 \)右のように、テーパ管内に流体が流れることでフロートを上に押し上げ、静止した時のフロートの位置で流量を計測しています。
原理を順で追いますと、
〈\( 1 \)〉流体が図\( 2 \)の➁のテーパ管とフロートの隙間を流れることで、①よりも流速が上がる。
〈\( 2 \)〉➁の流速が上がることで、その部分の運動エネルギーが上昇。その分圧力が低下。
〈\( 3 \)〉➀との差圧が生じ、フロートを押し上げる。(流体は圧力が高いところから低いところへ流れるため)
〈\( 4 \)〉フロートの重量による下向きの力が働き、〈\( 3 \)〉の力と釣り合った時にフロートが静止する。
〈\( 5 \)〉静止したフロートの位置を流量として判断する。
が一連の流れとなります。

【解答】

(9) キ
題意より解答候補は、(キ)、(ク)、(ケ)になると思います。ワンポイント解説\(3\)のように、流れてきた流体がフロートとテーパー管の隙間を通ることで差圧 が発生し、フロートを上に押し上げます。

(10) オ
題意より解答候補は、(エ)、(オ)、(カ)になると思います。ワンポイント解説\(3\)のように、フロートの重量 と押し上げる力が釣り合う位置でフロートが静止し、その位置を流量として読み取ります。

(11) ア
題意より解答候補は、(ア)、(イ)、(ウ)になると思います。フロートの上下の釣り合う力は鉛直 になることで成立します。少しでも傾くと、正確な流量を測ることができません。