《熱》〈課目Ⅲ〉[問題8](2)燃料及び燃焼管理 ガソリン機関とディーゼル機関に関する知識問題

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【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)
\[
\begin{eqnarray}
\end{eqnarray}
\] 次の各文章の\( \ \boxed {   10\strut   } \ \)~\( \ \boxed {   13\strut   } \ \)の中に入れるべき最も適切な字句等をそれぞれの解答群から選び、その記号を答えよ。なお、一つの解答群から同じ記号を2回以上使用しても良い。

(2) 内燃機関では、ノックを発生させないための配慮が必要である。 

1) ガソリン機関では、燃料とするガソリンのオクタン価が高いほど着火遅れ時間が\( \ \boxed {   10\strut   } \ \)、アンチノック性が\( \ \boxed {   11\strut   } \ \)。

2) ディーゼル機関では、燃料とする軽油のセタン価が高いほど着火遅れ時間が\( \ \boxed {   12\strut   } \ \)、アンチノック性が\( \ \boxed {   13\strut   } \ \)。

<\( \ \boxed {   10\strut   } \ \)~\( \ \boxed {   13\strut   } \ \)の解答群>
\[
\begin{eqnarray}
&ア& 高い     &イ&  低い     &ウ&  長く      &エ&  短く \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

ガソリン機関とディーゼル機関に関する知識問題です。丸暗記で乗り切ろうとすると、オクタン価・セタン価とノッキングの関係性で混乱しやすくなると思います。エンジン内に燃料を注入するタイミングの違いさえ理解できていれば、見分けやすくなりますので、普段から仕組みを理解する習慣を身に付けていきましょう。また、令和2年度にもほぼ同じ問題が出題されています。

1.ガソリン機関
 ガソリン機関は、「吸気」⇒「圧縮」⇒「燃焼・膨張」⇒「排気」の4サイクルで成り立っています。
吸気:ピストンを引くことで、ガソリンと空気を混ぜた混合気体をシリンダ内に吸い込みます。
圧縮:ピストンを押し出すことで断熱圧縮し、混合気体の温度を上昇させます。
燃焼・膨張:点火源で火花を出し、点火させることで混合気体が燃焼し、断熱膨張します。
排気:燃焼後に残った排ガスを排気させます。

出典:DPFドットコムHP ディーゼルエンジン仕組みを徹底解説!
URL:https://dpf-dpd.com/blog/diesel-gasoline-difference-explanation

\( \underline{\mathrm{オクタン価とガソリン機関のノッキング}} \)
オクタン価は、ガソリンの着火しにくさを表す指標で、これが低いとエンジン内でノッキングが発生しやすくなります。
ガソリン機関でのノッキングは、火花が混合気体全体に広がる前に自然着火し、異常燃焼してしまう現象です。ノッキングが発生すると、エンジンの故障などの原因となります。これを防ぐ為に、オクタン価が高いガソリンを選定します。ガソリンスタンドで販売されているガソリンは、一定以上のオクタン価が確保されており、その中でオクタン価が高いものはハイオクとなります。ハイオク車にレギュラーガソリンを入れてしまうと、仕様に対してオクタン価が低い為、ノッキングが発生しやすくなり、故障の原因になります。

2.ディーゼル(軽油)機関
ディーゼル機関も、「吸気」⇒「圧縮」⇒「燃焼・膨張」⇒「排気」の4サイクルで成り立っていますが、吸気と燃焼方法がガソリンと異なります。
吸気:ピストンを引くことで、空気をシリンダ内に吸い込みます。
圧縮:ピストンを押し出すことで断熱圧縮し、空気の温度を上昇させます。
燃焼・膨張:高温高圧状態の空気にインジェクターで燃料を噴射し、着火させることで燃焼し、断熱膨張します。
排気:燃焼後に残った排ガスを排気させます。

出典:DPFドットコムHP ディーゼルエンジン仕組みを徹底解説!
URL:https://dpf-dpd.com/blog/diesel-gasoline-difference-explanation

\( \underline{\mathrm{ディーゼル機関のノッキングとセタン価}} \)
セタン価は、自然着火のしやすさを表す指標です。セタン価が高い軽油は、スムーズに自然着火しやすくなります。
ディーゼル機関で発生するノッキング(ディーゼルノック)は、ガソリン機関とは逆に「火がつきにくいこと」が原因です。噴射された燃料がすぐに着火せず(着火遅れ)、シリンダー内に溜まった未燃燃料が一気に爆発的な燃焼を起こしてしまう現象です。これを防ぐ為に、着火遅れが短くてすぐに燃え始める「セタン価の高い軽油」を選定します。

以下、ガソリン機関とディーゼル機関の違いを簡単にまとめた表です。
$$\begin{array}{|c|c|c|c|} \hline
\text{エンジン種類} & \text{指標} & \text{求められる性質} & \text{着火遅れ時間} \\ \hline
\text{ガソリン} & \text{オクタン価} & \text{勝手に燃えない(難燃性)} & \text{長い} \\ \hline
\text{ディーゼル} & \text{セタン価} & \text{すぐに燃える(易燃性)} & \text{短い} \\ \hline
\end{array}$$
ノッキング発生メカニズムの違いは、

・ガソリン機関は予め燃料と空気を混合させているので、一緒に圧縮される→早い段階で異常燃焼し、ノッキングが発生

・ディーゼル機関は、空気のみ圧縮される→後から燃料と混合させるので燃焼が遅れやすい→溜まった燃料が異常燃焼し、ノッキングが発生

の違いとなります。

【解答】

1) 解答

(10) ウ
ワンポイント解説\(1\)の通り、オクタン価が高いと着火しにくくなります。よって、着火遅れ時間は長くなります。

(11) ア
ワンポイント解説\(1\)より、オクタン価が高ければノッキングが発生しにくい、つまりアンチノック性が高いと言えます。

2) 解答

(12) エ
ワンポイント解説\(2\)の通り、セタン価が高い軽油は、スムーズに自然着火しやすくなります。よって、着火遅れ時間は短くなります。

(13) ア
ワンポイント解説\(2\)より、ディーゼル機関で発生するノッキングは、遅れて燃焼することで発生することから、セタン価が高いほどアンチノック性は高くなります。