《熱》〈課目Ⅳ〉[問題12](1)計測及び制御 各種自動制御システムに関する知識問題

【問題】

【難易度】★☆☆☆☆(易しい)
\[
\begin{eqnarray}
\end{eqnarray}
\] 次の各文章の\( \ \boxed {   1\strut   } \ \)~\( \ \boxed {   10\strut   } \ \)の中に入れるべき最も適切な字句等をそれぞれの解答群から選び、その記号を答えよ。

(1)  図は、密閉式タンクに入っている温水を蒸気で加熱する装置の制御システムを示したものである。
使用した温水の分だけタンク内に水が供給されるが、温水使用量が変動しても温度制御装置により加熱用蒸気が変動に応じて供給され、タンク内の温水温度が一定になるように制御されている。

\[
\Large \textbf{図1}
\]

1) タンクが、図のような温水で充満された密閉式ではなく、開放式で断続的に温水を供給する場合、タンク内にまず定量の水を入れ、次に蒸気で一定時間加熱して所定の温度まで昇温した後に弁を開いて温水を使用し、タンク内の温水を全て使った後にタンク内に定量の水を供給するといった一連の操作により、温水使用量が変動しても一定温度の温水の供給は間欠的ではあるが可能である。
 このような操作を \( \ \boxed {   1\strut   } \)制御という。ただし、この制御では、例えば使用途中でタンク内に水が入ってきたときなどに修正動作を行わなければ、一定温度の温水を確実に供給することはできない。

<\( \ \boxed {   1\strut   } \)の解答群 >
\[
\begin{array}{l}
\rlap{\text{ア} \quad \text{カスケード}}\hspace{150px}\rlap{\text{イ} \quad \text{シーケンス}}\hspace{150px}\rlap{\text{ウ} \quad \text{フィードフォワード }}\hspace{200px}\rlap{\text{エ} \quad \text{フィードバック}}\hspace{200px}
\end{array}
\]

2) 一方、図のようにタンクが密閉式の場合には、温水の使用分だけタンク内に水が供給されるため、蒸気が一定量供給されていても、温水使用量が一定でなければ温水温度が変動してしまう。
 したがって、図の制御においては、図中の \( \mathrm {A} \)で示されている\( \ \boxed {   2\strut   } \) からの温水温度情報を \( \mathrm {B} \)で示されている\( \ \boxed {   3\strut   } \)へ伝える。\( \mathrm {B} \) は、\( t_{1} \)で示す設定された\( \ \boxed {   4\strut   } \) と、\( t_{2} \) で示す\( \ \boxed {   5\strut   } \)とを比較し、この両者の \( \ \boxed {   6\strut   } \)がなくなるように\( \mathrm {C} \)で示されている\( \ \boxed {   7\strut   } \) を動作させることで、温水の使用量の変動にも対応している。この制御では蒸気調整弁が\( \mathrm {C} \)となる。

<\( \ \boxed {   2\strut   } \)~ \( \ \boxed {   7\strut   } \)の解答群 >
\[
\begin{array}{l}
\rlap{\text{ア} \quad \text{温度検出部}}\hspace{175px}\rlap{\text{イ} \quad \text{温度調節計}}\hspace{175px}\rlap{\text{ウ} \quad \text{操作部 }}\hspace{175px}\rlap{\text{エ} \quad \text{誤差}}\hspace{175px} \\[5pt] \rlap{\text{オ} \quad \text{偏差}}\hspace{175px}\rlap{\text{カ} \quad \text{測定値}}\hspace{175px}\rlap{\text{キ} \quad \text{標準値}}\hspace{175px}\rlap{\text{ク} \quad \text{目標値}}\hspace{175px}
\end{array}
\]

3) このような制御システムでは、蒸気流量の調整によるタンク内の温水温度の変化は\( t_{2} \)の変化として\( \mathrm {B} \)に戻ってくる。そこで、このように制御する方式を\( \ \boxed {   8\strut   } \)制御という。温水温度が上昇して\( t_{1} \)を超えれば\( \mathrm {B} \)は蒸気流量を \( \ \boxed {   9\strut   } \)させ、温水温度が下がるように動作させる。

4)タンクへの給水流量だけでなく給水温度が変化しても、タンク内の温水温度は変化する。2) の制御では、これらの温水温度を変化させる要因によってタンク内の温水温度が変化してから修正動作を起こすので、温水温度が元へ戻るには若干時間を要する。この影響を早く除くために考えられたのが、 \( \ \boxed {   10\strut   } \)] 制御であり、例えば、要因となる給水流量を\( \mathrm {D} \)で検出し、これによるタンク内の温水温度への影響を修正する方向に、予め蒸気調整弁を動作させる制御である(図の点線部分)。この制御では、温水温度を変化させる要因を検出したら直ちに蒸気調整弁を動作させるので、2) の制御に対して温水温度をより速く目標値に戻すことができる。

< \( \ \boxed {   8\strut   } \)~\( \ \boxed {   10\strut   } \) の解答群 >
\[
\begin{array}{l}
\rlap{\text{ア} \quad \text{オーバーライド }}\hspace{175px}\rlap{\text{イ} \quad \text{カスケード }}\hspace{175px}\rlap{\text{ウ} \quad \text{フィードフォワード}}\hspace{175px}\rlap{\text{エ} \quad \text{フィードバック}}\hspace{175px} \\[5pt] \rlap{\text{オ} \quad \text{追値}}\hspace{175px}\rlap{\text{カ} \quad \text{減少}}\hspace{175px}\rlap{\text{キ} \quad \text{増加}}\hspace{175px}\hspace{175px}
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

各種自動制御システムに関する知識問題です。各種制御方式はほぼ毎年出題されます。特に今回の問題は、基本的な内容で特典源となります。今後も出題される可能性がありますので、完答できるように演習を繰り返しましょう。

1.シーケンス制御
予め決まった順序に従い、制御するシステムです。以下の制御システムの動きを、をお風呂の給湯器で例えて説明していきます。
\( 40 \, \mathrm{^\circ C} \)に目標設定したら、その温度を目指して給湯します。実際の湯温が\( 40 \, \mathrm{^\circ C} \)でなくても、「設備が\( 40 \, \mathrm{^\circ C} \)になる仕事をした」と判断したら制御は終了してしまいます。 そのため、目標値と異なる場合は再度、一連の動きをさせるか、手動で操作する必要が出てきます。

2.フィードバック制御

\[
\Large \textbf{図2}
\] 目標値と検出部の測定値を比べて、目標と違ったらそれに向けて制御するシステムです。図\( 2 \)のような構成になっており、
お湯の温度の目標値を設定→調整部で現在値と比較し操作部に伝送→それを受けて制御対象に対して給湯(操作)→検出部で都度測定し、目標より温度が低ければ給湯量を増加させて加熱、目標より高かった減少させて温度を下げる
以上の制御を繰り返し行います。
外乱が入ってきても、「あれ?目標から遠退いた。また制御しよう」と、このサイクルを続けます。

3.フィードフォワード制御
外乱を予め考慮して、制御する方式です。
給湯中に途中で何\( \, \mathrm{^\circ C} \)の水を何\( \mathrm{ℓ} \)入れるかを織り込んで給湯します。ですので、フィードバック制御と比べて目標達成が早い傾向にあります。

4.カスケード制御
カスケードは「連なった滝」という意味で、上流から下流へ連鎖的に影響を及ぼすことを表します。図\( 2 \)に対して2重のループで制御します。
浴槽の湯温だけでなく、その前のタンク温度も検出し、上流部分から制御します。

【解答】

1) 解答

(1) イ
ワンポイント解説\(1\)の通り、シーケンス制御となります。

2) 解答

これらはワンポイント解説\(2\)の通り、フィードバック制御の流れを問う問題となっています。
(2)ア
題意より解答候補は、(ア)、(イ)、(ウ)になると思います。図\( 1 \)の\( \mathrm {A} \)は温度検出部となります。

(3) イ
題意より解答候補は、(ア)、(イ)、(ウ)になると思います。温度検出部からの情報は、温度調節計へ伝えられます。操作部と迷いやすいと思いますが、やみくもに操作してしまうと、目標に対して違う方向に進んでしまいます。その為、調節を挟む必要があります。

(4)ク
題意より解答候補は、(カ)、(キ)、(ク)になると思います。\( t_{1} \)では目標値を設定します。

(5) カ
題意より解答候補は、(カ)、(キ)、(ク)になると思います。\( t_{2} \)では温度検出部で測定(検出)された測定値が伝送されます。

(6) オ
題意より解答候補は、(エ)、(オ)になると思います。目標値と測定値、この両者の差は偏差となります。
誤差は、真値と測定値の差を言います。

(7) ウ
題意より解答候補は、(ア)、(イ)、(ウ)になると思います。温度調整部から操作部へ、偏差を埋めるよう指令を出し、操作部は動作します。

3) 解答

(8) エ
題意より解答候補は、(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)になると思います。ワンポイント解説\(2\)の通り、フィードバック制御になると思います。

(9)カ
題意より解答候補は、(オ)、(カ)、(キ)になると思います。ワンポイント解説\(2\)の通り、温水温度が上昇して目標値を超えた場合、蒸気流量を減少させることで、温水温度が下がるように動作させます。

4) 解答

(10) ウ
題意より解答候補は、(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)になると思います。問題文では、「給水温度が予想に反して変化しているという外乱が起こっている」ということが描かれてます。ワンポイント解説\(3\)の通り、フィードフォワードを取り入れることで、外乱を織り込んだ制御をすることができます。