【問題】
【難易度】★★★★☆(やや難しい)
\[
\begin{eqnarray}
\end{eqnarray}
\]
次の各文章の\( \ \boxed { 1\strut } \ \)~\( \ \boxed { 3\strut } \ \)の中に入れるべき最も適切な字句等をそれぞれの解答群から選び、その記号を答えよ。
(1) 蒸気タービンの駆動原理や部分負荷運転時の特性について考える。
1) 蒸気タービンでは、ノズル(静翼)と回転羽根(動翼)の組合せで、ノズルにより蒸気を\( \ \boxed { 1\strut } \)させて熱エネルギーを運動エネルギーに変換し、高速の蒸気流を回転羽根に導入して方向変換させることにより、運動エネルギーの一部を動力に変換して出力軸に伝達する。
蒸気タービンは、このときの回転力の発生方法から衝動式と反動式に分けられるが、単段当たりの熱落差を大きくすることができるのは\( \ \boxed { 2\strut } \)の方である。
<\( \ \boxed { 1\strut } \ \)及び\( \ \boxed { 2\strut } \ \)の解答群>
\[
\begin{array}{l}
\rlap{\text{ア} \quad \text{圧縮 }}\hspace{140px}\rlap{\text{イ} \quad \text{膨張}}\hspace{140px}\rlap{\text{ウ} \quad \text{凝縮}}\hspace{140px}\rlap{\text{エ} \quad \text{衝動式}}\hspace{140px}\rlap{\text{オ} \quad \text{反動式}}\hspace{140px}
\end{array}
\]
2) 発電用などの蒸気タービンを部分負荷で運転する場合には、定格時の蒸気圧を維持して加減弁で蒸気流量を調整する定圧運転とするか、加減弁は全開のまま蒸気圧を調整する変圧運転を行う。
この両者のうち、部分負荷運転時の効率を極力落とさないためには\( \ \boxed { 3\strut } \)運転とする方が望ましい。
<\( \ \boxed { 3\strut } \ \)の解答群>
\[
\begin{array}{l}
\rlap{\text{ア} \quad \text{定圧}}\hspace{350px}\rlap{\text{イ} \quad \text{変圧}}\hspace{350px}
\end{array}
\]
【ワンポイント解説】
タービン運転に関する知識問題です。タービン周辺設備の構造や蒸気の流れなどの知識が問われる問題となっており、文だけ読んでもイメージしにくい印象です。一度で理解しようとせず、「タービンは蒸気の流れで回転する」「蒸気がどういう動きをすることで、タービンは回転するのか?」「タービンの構造はどうなっているのか?」など、段階的に知識を付けていくことをおススメします。
1.蒸気タービンの仕組み
蒸気タービンは、ボイラから送られてきた蒸気が持つ熱エネルギーを利用して回転させることで動力を得る設備で、火力発電所の発電設備などで利用されます。

\[
\Large \textbf{図1}
\]
タービン羽根は、ノズルの役割をする静翼と、回転する動翼で構成されます。

\[
\Large \textbf{図2}
\]
蒸気が持つ熱エネルギーをノズル(静翼)で膨張させることで「運動エネルギー」に変え、それを回転羽根(動翼)に当てることで動翼が回転します。タービンと軸で繋がった発電機を連動して回転させることで、発電させることができます。
回転エネルギー(トルク)は、熱落差(タービン入口と出口のエンタルピーの差)により変わります。熱落差が大きい程、タービンの回転エネルギーは増加します。
2.衝動式と反動式
タービンは、回転力を生み出す方法から、衝動式と反動式の\( 2 \)種類に分かれます。

\[
\Large \textbf{図3}
\]
\( \underline{\mathrm{衝動式 }} \)
衝動式はノズルから噴出された蒸気を動翼に当て、その衝動力によってタービンを回転させます。動翼の羽根の形状はU字になっており、蒸気を受け止めやすくなっています。また、動翼の入口~出口間の隙間は均一になっているので圧力差が発生しません。その為、一気に蒸気が膨張する為、単段当たりの熱落差は大きくなります。
\( \underline{\mathrm{反動式 }} \)
反動式は、衝動力と合わせて、動翼から蒸気が噴出するときの力(反動力)を利用してタービンを回転させます。反動力は、「手で壁を押した時に、後ろに押し戻される力」をイメージすると良いです。動翼の羽根の形状は、出口側が狭くなっていることから、動翼もノズルの役割をします。それにより、反動力が生まれます。
動翼出口が狭いため、動翼の入口~出口間に圧力差が生じます。その為、段階的に蒸気が膨張する為、単段当たりの熱落差は小さくなります。
3.定圧運転と変圧運転
ボイラからタービンに蒸気を送る運転方式として、定圧運転と変圧運転の\( 2 \)種類に分かれます。
\( \underline{\mathrm{定圧運転 }} \)
定圧運転は、ボイラからの蒸気圧を一定にし、タービンに送る蒸気量を調整する蒸気加減弁の開度を調整することで、蒸気流量を調整します。
長所は、急激な負荷変動への対応力です。負荷変動時に加減弁の開度を調整することで蒸気量を調整できるため、応答を早くすることができます。
短所は、タービンなどの効率が低下することです。加減弁を絞った際、蒸気の流れが絞られてしまうことで、絞り損失が発生し、効率が低下します。
\( \underline{\mathrm{変圧運転 }} \)
変圧運転は、蒸気加減弁の開度を全開で一定にし、ボイラからの蒸気圧を変圧させることで、蒸気流量を調整します。
長所は、効率が高い点です。加減弁を常に全開にしているので、絞り損失が無く、効率が高くなります。
短所は、負荷変動対応が遅い点です。蒸気圧は、ボイラの燃焼で調整するので、変化させるのに時間が掛かります。そのため、急激な負荷変動時に対して応答が遅くなります。
【解答】
1) 解答
(1)
題意より解答候補は、(ア)、(イ)、(ウ)になると思います。
ワンポイント解説\(1\)の通り、ノズルにより蒸気を膨張させることで「熱エネルギー」→「運動エネルギー」に変換させ、タービンに向かいます。
(2)
題意より解答候補は、(エ)、(オ)になると思います。
ワンポイント解説\(2\)の通り、衝動式では単段当たりの熱落差を大きくすることができます。
2) 解答
(3)
ワンポイント解説\(3\)の通り、絞り損失がない変圧運転とすることで、効率低下を抑えることができます。



