【問題】
【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)
\[
\begin{eqnarray}
\end{eqnarray}
\]
次の各文章の\( \ \boxed { 4\strut } \ \)~\( \ \boxed { 8\strut } \ \)の中に入れるべき最も適切な字句等をそれぞれの解答群から選び、その記号を答えよ。
(2) 容積形内燃機関の分類及び熱損失について考える。
1) 容積形内燃機関は、\( \ \boxed { 4\strut } \)サイクルの応用である火花点火方式のガソリン機関と、ディーゼルサイクルの応用である圧縮着火方式のディーゼル機関に分類される。
2) ガソリン機関の場合は、空気と共に気化した燃料をシリンダ内で高圧に圧縮するので、圧縮する途中での\( \ \boxed { 5\strut } \)のないように、オクタン価に注意して燃料を選定する必要がある。
<\( \ \boxed { 4\strut } \)及び\( \ \boxed { 5\strut } \)の解答群 >
\[
\begin{array}{l}
\rlap{\text{ア} \quad \text{オットー}}\hspace{233px}\rlap{\text{イ} \quad \text{ブレイトン }}\hspace{233px}\rlap{\text{ウ} \quad \text{ランキン}}\hspace{233px} \\[5pt]
\rlap{\text{エ} \quad \text{自己着火}}\hspace{233px}\rlap{\text{オ} \quad \text{火花点火}}\hspace{233px}\rlap{\text{カ} \quad \text{着火遅れ}}\hspace{233px}
\end{array}
\]
3) ディーゼル機関の場合は、空気のみをシリンダ内に吸入し、圧縮して高温高圧になった空気の中に燃料を噴霧して着火させる方式であり、\( \ \boxed { 6\strut } \)は不要である。また、ガソリン機関と比べたディーゼル機関の特徴として、熱効率が\( \ \boxed { 7\strut } \)ことなどが挙げられる。
< \( \ \boxed { 6\strut } \)及び\( \ \boxed { 7\strut } \)の解答群 >
\[
\begin{array}{l}
\rlap{\text{ア} \quad \text{吸気弁}}\hspace{233px}\rlap{\text{イ} \quad \text{着火装置}}\hspace{233px}\rlap{\text{ウ} \quad \text{噴射ノズル}}\hspace{233px} \\[5pt]
\rlap{\text{エ} \quad \text{高い }}\hspace{233px}\rlap{\text{オ} \quad \text{低い}}\hspace{233px}\hspace{233px}
\end{array}
\]
4) 容積形内燃機関における熱損失には、排ガス損失、冷却損失、摩擦損失などがあるが、これらの中で一般に最も損失が大きいのは\( \ \boxed { 8\strut } \)損失である。
<\( \ \boxed { 8\strut } \)の解答群 >
\[
\begin{array}{l}
\rlap{\text{ア} \quad \text{排ガス }}\hspace{233px}\rlap{\text{イ} \quad \text{摩擦 }}\hspace{233px}\rlap{\text{ウ} \quad \text{冷却}}\hspace{233px}
\end{array}
\]
【ワンポイント解説】
ガソリン及びディーゼル機関に関する知識問題です。同年課目Ⅲ 問題8(2)と関連性が高く、勉強させた方にとって得点源となる問題だった印象です。今回の問題で問われていること以外にも、断熱圧縮などの燃焼サイクルの内容も覚えておくことで、関連問題に対応することができます。この問題を通して、合わせて学習していくようにしていきましょう。
1.ガソリン機関
ガソリン車などのエンジンに使われるガソリン機関は、オットーサイクルの応用で動いています。
図\( 1 \)をもとに、オットーサイクル曲線とガソリン機関の動きを解説します。
前提として、サイクルは空気を対象としているとイメージしていきます。

\[
\Large \textbf{図1}
\]
圧力:\( P \) 体積:\( V \) 温度:\( T \) エントロピー:\( s \)
➀吸気(サイクル\( 4 \)→\( 1 \))
機関内部のピストンを下降させることで、ガソリンとの混合空気を内部に吸気させます。
➁混合ガスの圧縮(サイクル\( 1 \)→\( 2 \))
ピストンを上昇させることで、混合空気を圧縮させます。圧縮することで体積が減少し、温度は上昇します。
この時、外部に熱を逃がさず圧縮するため、断熱圧縮の状態となります。
オクタン価が低いと、この最中に自己着火し、ノッキングが発生するため危険です。そのことから、ガソリンスタンドでは一定数以上のオクタン価を満たしていなければ、販売することができません。
➂点火・燃焼(サイクル\( 2 \)→\( 3 \))
点火プラグ(着火装置)で点火し、圧縮した混合空気は急激に燃焼(爆発)します。
ピストンが上昇し切った状態で点火されて燃焼するので、定容加熱となります。
《補足》
なぜ、エントロピー:\( S \)が増加するのか、疑問に思われることでしょう。点火源により燃焼することで熱をもらうことになるため、エントロピーは増加します。
➃燃焼ガスの膨張(サイクル\( 3 \)→\( 4 \))
混合ガスが燃焼することで膨張し、ピストンが下降します。
外部との熱のやり取りは遮断されているため、断熱膨張の状態となります。
➄排気(サイクル\( 4 \)→\( 1 \))
ピストンを上昇させながら、燃焼後の排ガスを外部に排気します。そうすることで機関内部の温度が下がることから、定容冷却となります。
《補足》
この時は体積が下がるのでは?と思われることでしょう。「ピストンが下降する吸気と、ピストンが上昇する排気により、体積の変化は相殺される→だから定容」と考えても差し支えありません。
2.ディーゼル機関
ディーゼル車や非常用の発電機などに使用されるディーゼル機関は、ディーゼルサイクルを元に動きます。基本的に、ガソリン機関の動きとサイクルは似ていますが、吸入と着火方法の\( 2 \)点が大きく異なります。
図\( 2 \)をもとに、ディーゼルサイクル曲線とディーゼル機関の動きを解説します。

\[
\Large \textbf{図2}
\]
➀吸気(サイクル\( 4 \)→\( 1 \))
機関内部のピストンを下降させることで、空気のみを内部に吸気させます。
➁空気の圧縮(サイクル\( 1 \)→\( 2 \))
ピストンを上昇させることで、空気を圧縮させます。圧縮することで体積が減少し、温度は上昇します(断熱圧縮)。
燃料を混合させていないため、自己着火を気にせず強く圧縮できるので、高温の圧縮空気が生成されます。そのため、ガソリン機関よりも熱効率を高くすることができます。
➂燃料噴射・燃焼(サイクル\( 2 \)→\( 3 \))
圧縮された空気に向かって、インジェクターから燃料を噴射します。ディーゼルの着火温度を大きく上回るほど高温状態の圧縮空気の中に燃料を注入するため、着火装置がなくても、燃焼します。ガソリンと違い、高圧状態を維持した中で加熱するため、定圧加熱となります。
➃燃焼ガスの膨張(サイクル\( 3 \)→\( 4 \))
混合ガスが燃焼することで膨張し、ピストンが下降します(断熱圧縮)。
➄排気(サイクル\( 4 \)→\( 1 \))
ピストンを上昇させながら、燃焼後の排ガスを外部に排気します(定容冷却)。
【解答】
1) 解答
(4) ア
題意より解答候補は、(ア)、(イ)、(ウ)になると思います。
ワンポイント解説\(1\)の通り、ガソリン機関はオットーサイクルの応用で動いています。
なお、ブレイトンサイクルはガスタービン発電、ランキンサイクルはボイラなどの汽力発電等で応用されています。
2) 解答
(5) エ
題意より解答候補は、(エ)、(オ)、(カ)になると思います。ワンポイント解説\(1\)の通り、圧縮途中で自己着火が発生しないように、オクタン価の高い燃料を選定する必要があります。
3) 解答
(6)イ
題意より解答候補は、(ア)、(イ)、(ウ)になると思います。ワンポイント解説\(2\)の通り、圧縮された空気はディーゼルの着火温度を大きく上回っているため、着火装置が不要です。
(7)エ
題意より解答候補は、(エ)、(オ)になると思います。容積形内燃機関は、圧縮空気の温度が高いほど熱効率が高くなる傾向にあります。そのことから、ワンポイント解説\(2\)の通り、ディーゼル機関はガソリン機関と比べて熱効率が高い特徴があります。
4) 解答
(8) ア
容積形内燃機関の熱損失の中でも、排ガス損失が一番大きいです。燃焼を終えたばかりのガスはとても高温で、その状態で外に排気されます。なお、コージェネレーションは、その排熱を利用しています。



