【問題】
【難易度】★★★★☆(やや難しい)
\[
\begin{eqnarray}
\end{eqnarray}
\]
次の各文章の\( \ \boxed { 8\strut } \ \)~\( \ \boxed { 11\strut } \ \)の中に入れるべき最も適切な字句等をそれぞれの解答群から選び、その記号を答えよ。なお、\( \ \boxed { 9\strut } \ \)は複数箇所あるが、同じ記号が入る。
(2) 蒸気輸送配管について考える。
1) 蒸気配管は、口径を大きくすると、重量の増加により\( \ \boxed { 8\strut } \)が大きくなるばかりでなく、表面積の増大により\( \ \boxed { 9\strut } \)も大きくなる。逆に口径を小さくすると、流速が増加して圧力損失が増大するので、過剰に口径を絞ると蒸気使用設備に必要な圧力の供給が困難となる。
したがって、蒸気配管は、できる限り短距離となるように、かつ、\( \ \boxed { 9\strut } \)と圧力損失のバランスがとれた適正口径となるよう計画する必要がある。
<\( \ \boxed { 8\strut } \)及び\( \ \boxed { 9\strut } \)の解答群 >
\[
\begin{array}{l}
\rlap{\text{ア} \quad \text{設備投資}}\hspace{233px}\rlap{\text{イ} \quad \text{騒音値}}\hspace{233px}\rlap{\text{ウ} \quad \text{伸び差}}\hspace{233px} \\[5pt]
\rlap{\text{エ} \quad \text{排気損失}}\hspace{233px}\rlap{\text{オ} \quad \text{放熱損失}}\hspace{233px}\rlap{\text{カ} \quad \text{摩耗減肉}}\hspace{233px}
\end{array}
\]
2) 圧力損失は管内流速によって左右されるが、蒸気配管計画では、次に示すように、使用する蒸気圧力に応じて適正流速範囲があるので目安にするとよい。
蒸気の管内流速\( V \)\( \mathrm{[m/s]} \)は、蒸気流量\( G \) \( \mathrm{[kg/h]} \)、蒸気の比体積\( v \)\( \mathrm{[㎥/kg]} \) 及び管の内径 \( D \)\( \mathrm{[m]} \)を用いて次式で表される。
\[
\begin{eqnarray}
V &=& \dfrac{G v}{900 \pi D^2}
\end{eqnarray}
\]
速度水頭を用いた圧力損失の式にこの流速の式を代入して整理すると、蒸気配管の圧力損失は、\( G \)、\( D \)及び\( v \)を用いた式\( \ \boxed { 10\strut } \)に比例する。すなわち、蒸気の比体積\( v \)にも比例することがわかる。
3) 蒸気の比体積は高圧になるほど小さくなることから、圧力損失も小さくなるので、蒸気の圧力が高ければ高いほど、適正流速の選定範囲を高くすることができる。一般に、\( 0.2 \)〜\( 0.5 \)\( \mathrm{MPa} \)の低圧蒸気の適正流速は圧力に応じて\( 15 \)〜\( 20 \)\( \mathrm{m/s} \)、\( 0.5 \)〜\( 4 \)\( \mathrm{MPa} \)の中圧蒸気の適正流速は圧力に応じて\( 20 \)〜\( \ \boxed { 11\strut } \) \( \mathrm{[m/s]} \)が目安とされている。
<\( \ \boxed { 10\strut } \) 及び \( \ \boxed { 11\strut } \)の解答群 >
\[
\begin{array}{l}
\rlap{\text{ア} \quad 50}\hspace{117px}\rlap{\text{イ} \quad 100}\hspace{117px}\rlap{\text{ウ} \quad 150}\hspace{117px}\rlap{\text{エ} \quad \dfrac{G^2 v}{D^3}}\hspace{117px}\rlap{\text{オ} \quad \dfrac{G^2 v}{D^4}}\hspace{117px}\rlap{\text{カ} \quad \dfrac{G^2 v}{D^5}}\hspace{117px}
\end{array}
\]
【ワンポイント解説】
蒸気配管の選定に関する知識及び圧力損失に関する計算問題です。前半はイメージがつきやすい問題ですが、後半はダルシー・ワイスバッハの式等の前提知識が要求される問題となっており、やや難易度が高い印象です。\( 4 \)問のうち\( \ \boxed { 8\strut } \)~\( \ \boxed { 10\strut } \)が解ければ合格圏内にあると思います。他の単元を学習し、余裕があれば\( \ \boxed { 11\strut } \)も覚えるぐらいで十分かと思います。
1.圧力損失
圧力損失:\( \Delta P \)は、配管入口側と出口側の圧力差です。
摩擦係数:\( \lambda \) 配管長さ:\( L \) 運動エネルギー:\( \dfrac{\rho \, V^2}{2} \)に比例して大きくなり、配管口径:\( D \)に反比例して小さくなります。
この考えは、ダルシー・ワイスバッハの式で表されます。
配管入口の圧力:\( P_{1} \)\( \mathrm{[Pa]} \) 配管出口の圧力:\( P_{2} \)\( \mathrm{[Pa]} \) 管摩擦係数:\( \lambda \) 配管長さ:\( L \)\( \mathrm{[m]} \) 配管口径:\( D \)\( \mathrm{[m]} \) 流体密度:\( \rho \)\( \mathrm{[kg/m^3]} \) 管内流速:\( V \)\( \mathrm{[m/s]} \)とし、
\[
\begin{eqnarray}
\Delta P &=& P_{1} \, – P_{2} ・・・・・・・・・➀ \\[5pt]
&=& \lambda \cdot \dfrac{L}{D} \cdot \dfrac{\rho \, V^2}{2} \ \mathrm{[Pa]} ・・・・・・・・・➁\\[5pt]
\end{eqnarray}
\]
となります。

\[
\Large \textbf{図1}
\]
なお、摩擦係数は配管内側表面の凹凸などによるものです。
【解答】
1) 解答
(8) ア
題意より解答候補は、(ア)、(イ)、(ウ)になると思います。重量の増加により、設備投資、つまりコストが大きくなります。配管だけでなく、どの設備においても重量が増えるほど材料費がかかります。この概念は他の問題でも応用できますので、覚えておくと良いです。
(9) オ
題意より解答候補は、(ア)、(イ)、(ウ)になると思います。蒸気配管の口径を大きくすると、空気と触れる配管表面積が増え、放熱損失が大きくなります。また、ワンポイント解説\( 1 \)のように、口径を大きくすると圧力損失は低下することから、各損失のバランスを取る必要が出てきます。
2) 解答
(10) カ
問題文中の式を、ワンポイント解説\( 1 \)のダルシー・ワイスバッハの式に代入し、圧力損失:\( \Delta P \)を表します
\[
\begin{eqnarray}
\Delta P &=& \lambda \cdot \dfrac{L}{D} \cdot \dfrac{\rho \, V^2}{2} \\[5pt]
&=& \lambda \cdot \dfrac{L}{D} \cdot \dfrac{\rho \, \cdot\left( \dfrac{G v}{900 \pi D^2} \right)^2}{2} \ \mathrm{[Pa]} \\[5pt]
\end{eqnarray}
\]
比体積:\( v \)\( \mathrm{[㎥/kg]} \) は密度:\( \rho \)\( \mathrm{[kg/m^3]} \)の逆数なので、
\[
\begin{eqnarray}
\Delta P &=& \lambda \cdot \dfrac{L}{D} \cdot \dfrac{\left( \dfrac{G }{900 \pi D^2} \right)^2 \cdot v}{2} \\[5pt]
&=& \lambda \cdot \dfrac{2 L}{(900\pi)^2} \cdot \dfrac{G^2 v}{D^5}\ \mathrm{[Pa]} \\[5pt]
\end{eqnarray}
\]
よって、圧力損失:\( \Delta P \)は、\(\dfrac{G^2 v}{D^5}\)に比例します。
(11) ア
\( 0.5 \)〜\( 4 \)\( \mathrm{MPa} \)の中圧蒸気の適正流速は圧力に応じて\( 20 \)〜\(50\) \( \mathrm{[m/s]} \)が目安とされています。
これは問題文の通り、蒸気の圧力が高くなるほど、流速を高くすることができるためです。ただ、極端に流速を上げるわけにもいかないので、解答群の中から\( 50 \mathrm{[m/s]} \)を選ぶのが適切となります。



