【問題】
【難易度】★★★☆☆(普通)
\[
\begin{eqnarray}
\end{eqnarray}
\]
次の各文章の\( \ \boxed { 11\strut } \ \)~\( \ \boxed { 13\strut } \ \)の中に入れるべき最も適切な字句等をそれぞれの解答群から選び、その記号を答えよ。
(2) 各機器や装置を信号の流れで表す図をブロック線図という。その各ブロックには、機器等の入力信号と出力信号との比に相当する\( \ \boxed { 11\strut } \)関数が用いられ、それを \( \ \boxed { 12\strut } \)表示で記入するのが一般的である。
プロセス制御演算には、そのブロック表現が、一般に式 \( \dfrac{100}{PB} \times \left( 1 + \dfrac{1}{T_{i} \cdot s} + T_{d} \cdot s \right) \)で表される \( \ \boxed { 13\strut } \) アルゴリズムが一般的に使用される。ここで、式の中の\( s \)は変換の演算子を表し、\( PB \)を比例帯、\( T_{i} \)を積分時間、\( T_{d} \)を微分時間と呼ぶ。
<\( \ \boxed { 11\strut } \ \)~\( \ \boxed { 13\strut } \ \)の解答群>
\[
\begin{array}{l}
\rlap{\text{ア} \quad \mathrm {PID}制御}\hspace{233px}\rlap{\text{イ} \quad \text{オンオフ制御}}\hspace{233px}\rlap{\text{ウ} \quad \text{サンプル値制御}}\hspace{233px} \\[5pt]
\rlap{\text{エ} \quad \text{ガンマ}}\hspace{233px}\rlap{\text{オ} \quad \text{シグマ}}\hspace{233px}\rlap{\text{カ} \quad \text{伝達}}\hspace{233px} \\[5pt]
\rlap{\text{キ} \quad \text{フーリエ変換}}\hspace{233px}\rlap{\text{ク} \quad \text{ラプラス変換}}\hspace{233px}\rlap{\text{ケ} \quad \text{積分変換}}\hspace{233px}
\end{array}
\]
【ワンポイント解説】
各種自動制御システムに関する知識問題です。前問と同じく内容が電気分野寄りで、熱分野の中でも異質な問題ですので、慣れない内は戸惑う方も多いかと思います。そこまで深い知識は要求されず、過去問でもよく見かける問題です。演習を繰り返し、少しづつ慣らしていきましょう。
1.ブロック線図
ブロック線図は、入力\( X \)から出力\( Y \)までの自動制御システムの流れを、目で見える形で表した図です。

\[
\Large \textbf{図1}
\]
図\( 1 \)は、ブロック線図の基本的な流れで、入力とブロック内の関数を掛け算することで、出力の形になることを表しています。この関数は、伝達関数\( G \)と呼ばれ、入力にこの関数を掛けることで、出力まで伝達させることができます。
入出力と伝達関数の関係は図\( 1 \)の計算式で表すことができますが、熱分野においてブロック線図の計算はあまり出題されません。参考程度で留めていただいて問題ありません。
2.各動作制御と計算式
自動制御は、下記3つの動作が主流となります。
\( \underline{\mathrm{1.比例動作(\mathrm {P} 動作)}}\)
比例動作は、偏差の大きさに対して直接的に制御する動作です。
以下、エアコンの温度調整で例えていきます。目標設定温度に対し、目標設定温度になるように直接的に温度調整をしていきます。フィルターの目詰まりなどがあったりすると、エアコン自体は想定できていないため、残留偏差(オフセット)が生じやすくなります。
また、比例帯\( PB \)はどれくら調整するかの範囲を表し、この数値が小さくなるほど感度が大きくなり、ハンチングとなりやすくなります。
\( \underline{\mathrm{2.積分動作(\mathrm {I} 動作)}}\)
積分動作は、これまで発生していた偏差をデータとして積み重ね、その上で制御する動作です。
エアコンのフィルターの目詰まりにより発生した偏差をデータとして積み重ね、これを考慮した制御をします。
積分時間\( T_{i} \)はテータ集積の時間を指し、出力は問題文の式の通り、積分時間に反比例します。その為、積分時間が長くなると目標達成まで時間が掛かり、短くなると目標に対して超過するオーバーシュートを引き起こすします。
\( \underline{\mathrm{3.微分動作(\mathrm {D} 動作)}}\)
微分動作は、偏差の変化傾向に対する制御を行う動作です。
エアコンの出力が強すぎると抑えるように指令を出し、出力が低すぎるともっと上げるように指令を出します。微分動作は微分時間\( T_{d} \)という瞬間的な時間内の傾向を読み取ります。ですので、一時的なノイズに弱く、ドアを開けて一瞬だけ温度が変わってしまうと、それに反応して動きを変えてしまうことがあります。
以上の3つの動作を合わせた制御を\( \mathrm {PID} \)制御と呼びます。
これらの制御の計算は、ラプラス変換の式で求めます。この式を使う理由は、微分積分の式を簡略化させるためです。微積分が入り混じった計算式(微分方程式)を使うと計算が複雑になってしまいます。ラプラス変換を使うことで、積分動作は分数\( \dfrac{1}{T_{i} \cdot s} \)、微分動作は掛け算\( T_{d} \cdot s\)として計算することができます。
【解答】
(11)
題意より解答候補は、(エ)、(オ)、(カ)になると思います。ワンポイント解説\(1\)の通り、伝達関数が用いられます。
(12)
題意より解答候補は、(キ)、(ク)、(ケ)になると思います。
ワンポイント解説\(2\)の通り、ラブラス変換の計算式で表されます。
熱分野において、ラプラス変換を計算する問題はあまり出題されません。問題文中の変換式を選ぶ問題はよく出題されますが、積分時間\( T_{i} \)は分数の分母、微分時間\( T_{d} \)は掛け算として足されることを覚えていれば乗り切ることができると思います。
(13)
題意より解答候補は、(ア)、(イ)、(ウ)になると思います。問題文のラプラス変換式内に、比例帯\( PB \)・積分時間\( T_{i} \)・微分時間\( T_{d} \)が入っていることから\( \mathrm {PID} \)制御となります。



