《熱》〈課目Ⅳ〉[問題14](3)ガスタービン ガスタービン及びコンバインドサイクル発電に関する知識問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)
\[
\begin{eqnarray}
\end{eqnarray}
\] 次の各文章の\( \ \boxed {   9\strut   } \ \)~\( \ \boxed {   12\strut   } \ \)の中に入れるべき最も適切な字句等をそれぞれの解答群から選び、その記号を答えよ。
(3) ガスタービンの構造や性能等について考える。 

1) ガスタービンは、圧縮機、燃焼器及びタービンにより構成されている。
燃焼器は、その構造の違いにより、タービン軸に対して同心の環状断面を持つ筒状の外筒と内筒一組からなる「アニュラ形燃焼器」、外筒の中に複数個の円筒状の内筒が輪状に配置されている「キャニュラ形燃焼器」、筒形(キャン形)燃焼器を複数輪状に配置した「マルチキャン形燃焼器」などの形式がある。これらのうち、燃焼器の分解・交換が容易で、一般に大形発電用ガスタービンに最も多く使用されているのは\( \ \boxed {   9\strut   } \)形燃焼器である。
燃焼器に用いられる構成材の材質については、高温の燃焼ガスにさらされる内筒と尾筒は、耐熱合金の板で形成され、空気によるフィルム冷却や\( \ \boxed {   10\strut   } \)などにより保護されている。

< \( \ \boxed {   9\strut   } \)及び\( \ \boxed {   10\strut   } \)の解答群 >

\[
\begin{array}{l}
\rlap{\text{ア} \quad \text{アニュラ}}\hspace{233px}\rlap{\text{イ} \quad \text{キャニュラ}}\hspace{233px}\rlap{\text{ウ} \quad \text{マルチキャン}}\hspace{233px} \\[5pt] \rlap{\text{エ} \quad \text{シリコン焼付塗装}}\hspace{233px}\rlap{\text{オ} \quad \text{遮熱コーティング}}\hspace{233px}\rlap{\text{カ} \quad \text{酸化被膜}}\hspace{233px}
\end{array}
\]

2) 単純開放サイクルガスタービンの排ガスを活用し、蒸気タービンをボトミングに使用したコンバインドサイクル発電には排気再燃方式、排気助燃方式、排熱回収方式などと呼ばれる種々の方式があり、近年、ガスタービン側のタービン入り口温度の上昇に伴い排気ガス温度が上昇していることや、排気ガス中の残存酸素濃度が低下してきたことなどにより、現在は\( \ \boxed {   11\strut   } \)方式の採用が主流となっている。
最新のプラントでは、ガスタービン出力の約\( \ \boxed {   12\strut   } \)\( \mathrm{[ \, \% ]} \)相当分をさらに蒸気タービンで出力し、ガスタービンの高効率化と相まって、エネルギーの有効利用に大きく貢献している。

<\( \ \boxed {   11\strut   } \)及び \( \ \boxed {   12\strut   } \)の解答群 >
\[
\begin{array}{l}
\rlap{\text{ア} \quad \text{30}}\hspace{233px}\rlap{\text{イ} \quad \text{50}}\hspace{233px}\rlap{\text{ウ} \quad \text{70}}\hspace{233px} \\[5pt] \rlap{\text{エ} \quad \text{排気再燃}}\hspace{233px}\rlap{\text{オ} \quad \text{排気助燃}}\hspace{233px}\rlap{\text{カ} \quad \text{排熱回収}}\hspace{233px}
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

ガスタービン及びコンバインドサイクル発電に関する知識問題です。それぞれの発電方式、発電設備の少し踏み込んだ知識が要求される問題となっていますが、中には文脈から対応できる問題も有ります。合格する上で、4問中3問解ければ十分であると感じます。

1.ガスタービン発電
ガスタービン発電は、液化天然ガスなどの燃料を燃焼し、その時に発生した熱エネルギーを運動(回転)エネルギーに変換することでタービンを回転させて、発電する設備のことを言います。
設備は主に以下の3つで構成されています。

・空気圧縮機: 外気から空気を取り込み、高圧に圧縮する
・燃焼器: 圧縮空気と燃料を混合して燃焼させ、高温・高圧の燃焼ガスを発生させる
・タービン: 燃焼ガスが膨張する力を運動エネルギーに変換して回転する

燃焼器は主に、3種類の形をがあります。

\( \underline{\mathrm{1-1.アニュラ形燃焼器 }} \)

\[
\Large \textbf{図1}
\] ・構造:タービン軸をぐるりと囲む環状断面を持つ外筒と内筒で構成されています。外筒と内筒の間が燃焼域となっています。
・長所:構造がコンパクトで、均一な燃焼ができます。
・短所:保守時にタービン全体を分解する必要があるため保守性が悪いです。

\( \underline{\mathrm{1-2.マルチキャン形燃焼器 }} \)

\[
\Large \textbf{図2}
\] ・構造:独立した円筒形の燃焼器を環状に配置した構造です。
・長所:保守時に各燃焼器を容易に取り外せるため、保守性に優れています。
・短所:各燃焼室が独立しているため、燃焼が不均一になりやすいです。

\( \underline{\mathrm{1-3.キャニュラ形燃焼器 }} \)

\[
\Large \textbf{図3}
\] ・構造:アニュラ形とマルチキャン形を合わせた構造で、外筒と内筒の間に円筒形の燃焼器が環状に配置されています。

2.コンバインドサイクル発電
コンバインドサイクル発電は、ガスタービン発電と蒸気タービン発電を組み合わせた発電です。ガスタービンの後段に、蒸気を発生させるボイラーと蒸気タービンを有しています。
蒸気の生成には主に、ガスタービンの高温な排気ガスを利用する排熱回収ボイラー、排ガス内の残存酸素を燃焼に利用する排気再燃ボイラーが使用されています。

【解答】

1) 解答

(9)ウ
題意より解答候補は、(ア)、(イ)、(ウ)になると思います。ワンポイント解説\(1\)の通り、マルチキャン形燃焼器が該当します。

(10) オ
題意より解答候補は、(エ)、(オ)、(カ)になると思います。文脈より、熱への対策が必要と読み取れることから、遮熱コーティングが該当します。
酸化被膜は主に酸化や腐食対策として施されます。シリコン焼き付き塗装も耐熱性向上に使用されますが、最大で\( 600 \, \mathrm{^\circ C} \)台までの効果となり、\( 1\,500 \, \mathrm{^\circ C} \)以上まで温度上昇するガスタービンには向きません。

2) 解答

(11) カ
題意より解答候補は、(エ)、(オ)、(カ)になると思います。ガスタービンと蒸気タービンの容量比(出力)を方式毎に比較しますと、排気再燃方式は\( 3:1 \)、排熱回収方式は\( 2:1 \)とされています。このことから排熱回収方式の方が効率良く出力を得ることができるので、主流になっています。
なお、排気助燃は、夏場の外気温上昇による出力低下の対策としてボイラの蒸気生成を助ける、助燃バーナに用いられます。

(12) イ
題意より解答候補は、(ア)、(イ)、(ウ)になると思います。上記の通り、ガスタービンと蒸気タービンの容量比 \( 2:1 \) であることから、ガスタービンの約\( 50 \)\( \mathrm{[ \, \% ]} \)相当分を蒸気タービンで出力しています。